60年代からモジュラーシンセ・Buchlaをはじめ様々な
シンセサイザーによるテレビや映画、広告用の音楽制作で名を馳せ、ソロアーティストとしても多くの作品を発表している米・
電子音楽家/キーボーディストによる5作目。90年代~近年までリイシューされる度に再評価されている82年のソロ1作目"Seven
Waves"では左記のBuchlaを始めポリムーグや
オーバーハイムOB-X、
ARP Pro-Soloistなど往年のアナログシンセを駆使しながらも既にシンクラヴィアによる
MIDI制御やサンプリングなども取り入れられ(いくつかのインタビューで同機の音色自体は作品で使用することはなかったと言及している)、以降DX-7やProphet T-8、
Roland JxシリーズやJupiterシリーズ、Emu Emax、
AKAI S900をはじめ最新のシンセ機器や
Rolandの
シーケンサーMC-8~500による打ち込みを駆使したプロダクションへシフトしていく(この時期はBuchlaから離れている)中で本作はシンクラヴィアに代わり、87年にAudioFrame社が発表し、フェアライトやシンクラヴィアに次ぐ第2世代
DAWとして注目されたWaveFrameや88年に
YAMAHAが発表した
MIDI端子、
シーケンサーソフトが装備された
MS-DOSコンピューター・C1、更にアップル社の
Macintosh SE(使用ソフト不明)も使用された。この時期のアルバムは元タンジェリンドリームのピーターバウマンが運営するPrivate Musicからリリースされている。サブスクなし(Private Music期の楽曲で構成されたベスト盤"The Private Music Of Suzanne Ciani"の配信版で4曲聴ける)。以降90~00年代、ピアノ主体のクラシカルな
インストゥルメンタル期(作品は度々
グラミー賞にノミネート)を経て近年ではモジュラーシンセブームで再び脚光を浴びると70年代のBuchlaを使ったライブ音源などがリリースされKaitlyn Aurelia Smithなど若手のエレクトロミュージシャンともコラボレーションするなど電子音響分野で精力的な活動を行っている。発売日不明。