70年代から様々なミュージシャンのサポートドラマーや松尾清憲率いるCINEMAでの活動などで知られ、他アーティストへの楽曲提供、CM、映画音楽なども手掛けるドラマー/SSWによるソロ3作目。本作は藤井丈司がマニピュレーター務めフェアライトやDX-7などデジタル機器が多用された。まだROLAND MC-4やSBX-80による打ち込みが主流だったと思われるが、フェアライトの持つ音の博物館のイメージを体現したかのようなプロダクションは昨今のニューエイジ、アンビエント周辺の先端音楽への影響も伺える。近年の80'sリヴァイヴァル以降、幾度も再評価されたであろうこの時期の諸作は後の劇伴作家としての職人的な側面、セッションドラマーとして、SSWとして、加えてこの時期の制作パートナーである鈴木慶一の采配など様々な面で興味深く聴ける。1985年7月発売。
